「服装の乱れは心の乱れ」余裕のあるビジネスパーソンなら押さえておきたい装いのマナー
前回に引き続き、メンズウェアのスーツのボタンのかけ方についてお話したいと思います。
スーツには、上着のボタンが縦一列に配置されたシングルブレステッドと呼ばれるタイプと、
二列に配置されたダブルブレステッドと呼ばれるタイプがあります。
シングルでは、一番下のボタンのことを「捨てボタン」と呼び、
留めずに開けておくというルールがあります。
二つボタンのときは、上のボタンだけ、三つボタンのときは、真ん中だけ留めます。
(現在の三つボタンスーツのほとんどは、「段返り」と呼ばれるタイプのもので、
一番上のボタンも留めると不自然な形になってしまうので、開けておくのが基本です。)
ダブルの上着で四つボタンや六つボタンのときには、二つとも留めても、上一つだけでも問題ありません。
昨年6月、「テロ等準備罪」が可決されるという国内外のメディアから最も注目を浴びる日に、
当時の日本の法務大臣が、着用していたシングルのジャケットの二つボタンを
二つともしっかりと留めていたことがありました。
普段は下のボタンを一つ開けているのに、この日ばかりは二つボタンを両方ともかちりとロック。
ひどく緊張されていたか、動揺されていたことは間違いないでしょう。
服装はその人の気持ちの余裕も如実に示すのです。
余裕のある印象を与えるためにも、きっちりとした装いを心がけたいものです。
〜スーツのボタン掛けに関するポイント〜
・スーツのボタンは着席時には全て開け、立ち上がる時にさりげなく片手で留める。
・シングルのジャケットでは一番下のボタンは留めずに開けておく。